真夏の恋の急展開①

8月17日(水)18:47
僕は天神某所で、1人の女性を待っていた。
4日前の土曜日にyoubrideで出会い、その日の内にLINE交換&通話までした大分女子だ。
実は、日曜日に大分女子から、お盆休みを利用して福岡に行く旨の報告があり、思い切って誘ってみたところ快諾。
とんとん拍子で、この日に会うことになったのだ。
水木さんに振られた時の反省を踏まえて、僕はよりベットに自然な形で移行できるように作戦を練ってこの日を迎えた。
まずは、食事中の2人の距離。
前回は個室ではあったが、対面式の席。
対面式のほうが話しやすく僕はこれまで対面式を好む傾向にあったが、これでは2人の距離が遠すぎる。
Sフェーズを進めるにあたって適度なボディータッチが必要になってくるが、対面式では不可能。
その結果、食事中は十分にSフェーズが進行できぬまま、店を出たところで手を綱なぎ驚かれる。
いきなり早くない?的な。
この問題を改善するために今回はカウンター席を予約した。
さらに、店もおしゃれな海鮮料理屋。料理にひと手間かけており、いかにも女子が喜びそうな店だ。
さらに、店の場所にも気を遣った。
前回は、店から僕の家に誘導しようとしたが、これも物理的な距離が離れすぎだ。
確かに、水木さんとはそれ以前の雰囲気の問題だったが、もし少しそういう気持ちがあった場合でも、距離が遠いと勢いで押し通せない。移動中に覚めてしまうことも十分にあり得るだろう。
そのため今回は、店から駅に帰るまでにホテル街を通るエリアにした。
ただ、あからさまにホテル街というわけではなく、料理店なども立ち並ぶエリアだ。
これで、いい雰囲気になった時にはスムーズにベットに移送できる。
もちろん、準備も抜かりない。
前日には、店を確認した。
行きはホテル街と通らずに入店。
店でSフェーズを進めて、出て少し行った道で手をつなぎ、ホテル街に行く。
大分女子は食事後に帰る予定だが、「せっかく会えたし、もうちょっと一緒にいたいな」とホテルの前で言う。
「今日には帰らないと」と言う大分女子に、「もっと知りたくて」と耳元でささやき、手をぎゅっとつなぎのれんをくぐる。
我ながら完璧なシナリオ。
店の場所と行き帰りのルート、目標のホテルを確認して、準備万端だ。
さらに、僕にはあと2人女性がいる。
1人目はバツイチ介護士。
やや返信は遅いが、順調にLINEのやり取りを継続している。
僕に対する質問も多く、なかなかいい感じだ。
さらに結婚観や子供についても聞かれた。
もちろん「結婚したいし、子供も欲しいな~」と模範解答をしておいた。
「私も同じだ」とくだらない模範解答に好印象を持ってくれたようだ。
もう2人は小倉の看護師。
こちらもあっさりとLINEの交換をして、少しずつメッセージのやり取りが始まった。
例え大分女子がダメでも、僕にはまだまだチャンスがある。
この心の余裕こそが、積極的に自信を持って臨める要員となるのだ。
僕は、これまでで最も落ち着いて、自信を持って今日に臨んだ。
これまでの恋愛工学の集大成を今日こそ発揮する。
土地勘のない大分女子が「ごめん、逆のほう行ってたけん」と言いながらやってきた。
僕は、大分女子の顔を確認した。