恋のビックウェーブ到来?②

9月11日(月)ダメサラリーマンにとって、気持ちが重い週初めだがウキウキ気分だった。要因は当然Eさんとのピクニックデートが現実味を帯びてきたから。いやピクニックデート自体が楽しみなのではない。これまで出会ったどの女よりもEさんがノリノリで、夜のピクニックデートも射程圏内に捕らえている。電車の中で昨日のLINEを見た。Eさんとのムズかゆくなるような微笑ましいLINEのやりとりがはっきりと記録されていた。当然下半身も朝からニュートン先生もビックリな状態になっている。スラックスの上からでも分かるぐらいに。
仕事を無事に終え、帰りの電車の中で考えた。今日はLINEを送ろうか否か?僕はこれまで、女性経験の無さから過度に浮かれてしまい、非モテコミットを繰り返していた。その結果、相手の女性との間に明確なパワーバランスが生じてしまう。僕がどんどん格下に成り下がっていくのだ。そして、女性はどんどん暴徒化していき、下に見られLINEの返信も遅くなる。モテない自分を決して見せないように言葉では取り繕うが、男性の非モテ臭を嗅ぎ分けることに長けている女性にとっては明らかだったのだろう。仲良くなった翌日にはLINEを送らないという小手先だけのテクニックでは通用しないのは分かっている。でも僕にとってはこれぐらいしか思いつかない。それほどEさんにメロメロだという証だ。いつも通り夕飯を食べて、Twitterを眺める。いつも通り、ジョギングに行く。そう、いつも通り、いつも通り・・・でもいつも通りではない。頭の中はEさんで一杯だ。Eさんと今日もLINEがしたい。また小ボケをかまして、笑顔で怒られたい。そして、おやすみを言いたい。でも、非モテコミットにならないように我慢。我慢だ。
ジョギングから帰ると、なんとEさんからLINEが届いていた。女性から積極的に連絡が来るのは、昨年春に会ってモロボール球であった飲食女子以来かもしれない。もちろん、非常にいい傾向なのは間違いない。
22:21 Eさん) 今日も一日お疲れ様^^
その後には、お疲れ様というスタンプまでついている。有料スタンプではなく、企業のLINEを友だち登録すると、無料でダウンロードできるスタンプだ。有料スタンプを買う女=可愛いという法則は実証できなかった・・・しかし、今日もEさんは可愛らしい。僕はシャワーを浴びた後に返信して、そこから会話が始まった。今日一日あったことなどを言い合う多愛もない話だ。そしてEさんからこんな話が出た。
23:10 Eさん) そういえば!公園いくつか見つけたよ。
Eさんは、ピクニックデートに向けて公園をリサーチしていた。行く気満々じゃないか。女にありがちな思わせぶりな態度を取っておいて・・・みたいな人ではあるまい。もうこれは完全にピクニックに行く流れ。僕たちは互いに知っている公園をリストアップしていった。そして、さらにEさんより前向きな発言がなされた。それにより、事態は急展開を迎える。
23:35 Eさん) いつ行くかも決めないかんね。
23:38 金村) 僕は週末なら大丈夫やで。
23:40 Eさん) 私も週末はいつでも大丈夫。
23:42 金村) 今週末3連休やし、マジで行っちゃう?
それとも事前に軽く会ったり、写真交換でもしたほうがいいのかな?
23:44 Eさん) 三連休ちょうどいいよね!
その前に軽くご飯行ったりした方がいいかな?
23:44 金村) 僕はいきなりでもええけど、どうする?
23:45 Eさん) 私も大丈夫だよ。でも写真は交換しときたいかな?
23:45 金村) そうしよっか!
3連休でのピクニックデートは取り付けた。ただ、写真交換という最大の関門がやってきた。もちろん、写真交換をせずにこのままピクニックに挑むことも考えた。写真を見て幻滅されることだって十分にあり得る。だったら、せめてピクニックだけでも楽しんだほうが得だ。ただし、僕はもう1つのリスクについても考えていた。Eさんが確実に可愛いという確証が持てなかったからだ。前回の2代目金融OLは、有料スタンプを使いこなし、LINEの画像から見える後ろ姿からも可愛いというのは相当確からしかった。しかし、Eさんは正直言って五分五分。有料スタンプは使っていないし、美人の証明であるオシャレに関する興味もそこまで伺えない。LINEのアイコンは愛犬で背景画像は自宅かどっかの庭でこれは何のヒントにもならない。僕の中で過度に美化されているだけで、地雷の可能性だってある。お茶をするだけなら地雷であっても問題ない。小1時間過ごしてそのままフェードアウトすればいいだけだ。しかし、ピクニックとなると話が違う。どんなに少なく見積もっても3時間は一緒に過ごすことになろう。しかも手作り弁当をEさんが持ってくることになっている。美人でもそれほど手作り弁当に興味はないのに、ブスの手作り弁当など絶対に食べたくない。フィリピンでハエがたかっているよく分からない肉を食べたほうが数倍マシだ。ブスの手作り弁当を食べて、公園で3時間も過ごすことは拷問以外の何ものでもない。僕は以下の通り整理した。
(写真を交換しない場合)
ピクニックには行ける上で、
①Eさんがストライクで楽しい時間を過ごす
②Eさんがボールで拷問を受ける
(写真を交換する場合)
ピクニック行けるかは互いの許容範囲の上で
③Eさんがストライクでピクニックに承諾してくれる
④Eさんがストライクでピクニックを断られる
⑤Eさんがボールなのでピクニックには行かない
いい順番でいくと③→①→④→⑤→②となる。写真を交換すると④というリスクがつきまとうが、最悪の②は避けられる。Eさんにとって僕がボールだった場合①でもどのみち最終的な結果はダメだ。なので最終的な結果を重視するなら、事前に写真を交換することが合理的だ。しかし、最終的には断られても美人とピクニックに行けるだけでも十分。そこが話をややこしくさせる。しかし、今回はこれまでのLINEでEさんはかなり乗り気であり、多少のボール球なら振りに来てくれる期待もある。普段は0-0のカウントから投球開始なのだが、今回は少なくても投手である僕が有利なカウントだ。1ストライク、いや2ストライクまで追い込んでいるかもしれない。さらに僕はこんなこともあろうかと、昨夜写真を撮りためていた。鬼映画監督バリのテイク20まで撮影した結果、奇跡の1枚とは言えないまでも、まずまずの写真が取れたと思う。もちろん最終的にはEさんの選球眼次第ではあるが、投手有利のカウントを考慮すると、何とか振りに来てくれる可能性も十分あると考えた。その上で、④を考慮しても、事前に写真を交換することが期待値は高いと判断して、写真交換を提案したのだ。Eさんも了承してくれた。
23:48 Eさん) よしっ、少し前のやけん、髪の長さ違うけど・・・今のは、すっぴんやけん送れん。
こう言った後、画像データがアップされた。僕も続けて送る。
肝心のEさんの顔は・・・
遠藤?
遠藤とは相撲の遠藤ではない。ココリコの遠藤でもない。元中日にいた遠藤政隆でもない。遠藤久美子でもない。ガンバ大阪所属の遠藤保仁である。EさんのEは遠藤の頭文字だ。Eさんは遠藤に似ている。これからは遠藤さんだ。で僕の判定はと言うと、「ま~ストライクでいいかな、いや全然ストライクでしょ?うんストライクだ」
LINEのやりとりで2ストライクに追い込んでいると思っていたが、投手であると同時に僕は野手でもあり、野手としては2ストライクに追い込まれていたのかもしれない。遠藤さんだって何枚もあるうちの1番いい写真を送ってきたはずだ。その写真で一瞬躊躇したということは・・・いやでもこれはストライクだ。とりあえず一番恐れていた事態は避けられた。で次は、僕に対する遠藤さんの判定だ。
23:53 遠藤さん) テンション下がってない?笑
23:53 金村) 被害妄想やろ?そっちこそ(笑)
23:55 遠藤さん) 被害妄想やろ?(笑)
23:55 金村) 約束は継続でOK?
23:55 遠藤さん) もちろん!三連休、いつでもOKだよ。
23:56 金村) じゃあ日曜日にしよっか?
23:57 遠藤さん) OK~。場所は明日以降にってことで。
夜も遅かったので、この後はおやすみスタンプを送りあって終わった。美人とまではいかないが、とりあえずストライクゾーンの女の子とピクニックの約束を次の日曜日に確保した。しかし、まだ予断は全く許さない。遠藤さんはもしかたら僕をボール球と判定したが、いきなり断るのは露骨すぎてとりあえずOKしただけかもしれない。明日以降に連絡が取れなくなったり、突然用事が入ったと言われる可能性だってある。総じて女とはそういった生き物だ。さらに、じゃあどの公園にする?どんなプランで行く?当日に決めにいくのか?問題は山積だ。とりあえず明日LINEを送ってみて、本当に行ってくれるのか反応を見てみよう。と同時に遠藤さんのテンションが上がるプランを決めなくてはならない。
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