保険相談をした
僕は保険は基本的にギャンブルであり、平均的には損をするので、リスクに対してある程度の備えができている場合は不要と考えています。
総資産2,000万円以上があるため、生命保険、医療保険には未加入です。
この考えに現在全くブレはないので、保険相談は必要ないんですが、ミステリーショッパーの調査で相談を依頼しました。
相談員と1時間半くらい話し、簡単なレポートを書く。
全部で2時間くらいあれば終了するんですが、これで5,000円は正直かなりお得です。
相談員は40代中盤くらいの男性。
身なりもきちっとしており、話し方もソフトでなかなか好感が持てます。
その方は下記の図を書きました。

そして、勧めた内容は以下の通り
・独身なので、まずは病気リスクに備えるため、医療保険に加入する
・資産形成の意味も含め、掛け金の安い今のうちに終身保険(保証が一生涯続き、解約返戻金もある保険)に加入する
・結婚したら(子どもができたら)、定期保険(掛け捨ての保険)に加入する
保険代理店の方なので、当然保険に入ることを前提に話を進めるわけで、概ね予想通りの内容でした。
そして、終身保険の具体的な商品なんですが、変額終身保険が人気がありおススメだと言われました。
変額終身保険は、保険金(死んだら貰えるお金)、解約返戻金(解約したら貰えるお金)が運用実績によって変化する保険。
示された商品は、保険金の下限は決まっており、運用次第で上ぶれはする。
解約返戻金は下限、上限なしというもの。
具体的な設計は表の通りです。

この表を見せて、
と説明していました。60歳時点を見てください。
例えば、運用実績が3.5%だった場合、保険料支払総額591万円に対し、解約返戻金は614万円。
倍近くになっています。
銀行に置いておいても、増えないですよね?
もちろん元本割れもありますが、過去の実績もこの位の運用実績はあります。
もちろん、保険としての機能もあるので、おススメの商品ですよ
金融に疎い(結構多くの人が当てはまる)人なら、1,000万円の死亡保障もついて、過去の実績では30年で2倍に増える。銀行に預けておくよりもずっといい。収支で捻出できるお金の一部でこの保険に入ろうと考えそうなものです。
しかし、どうしてもそんな結論にはなりません。
ポイントは、同じ金額、年数で3.5%の複利運用ができれば、どれだけ増えるか比較することです。
591万円÷31年÷12カ月=15,887円
毎月の積立を15,887円、3.5%で31年間運用すると、1,074万円(①)になります。
これだけでは保険の機能がないので、別途定期保険に加入します。
保険料が安いことで有名な、ライフネット生命で1,000万円の保険金、年齢、保証期間を打ち込み試算したところ、月々2,246円。
これを31年続けると、2,246円×12カ月×31年=84万円(②)
1,074万円(①)-84万円(②)=990万円
となり、変額終身保険の614万円を大きく上回ります。
もちろん、生命保険の場合は生命保険料控除があります。
また、利益に対する課税も生命保険の方が有利なので、実際の差はもう少し小さくなるかもしれません。
しかし、運用でもNISAや401Kの利用でかなり節税できますし、上記表からも分かるように、短い期間で解約すると生命保険の解約返戻金は支払額を下回ります。
運用なんて難しくてできないという人もいそうですが、インデックスファンドを使えば、誰でも無条件で平均点が取れます。
こうやって見ていくと、生命保険で運用を行ってもらうことがいかに高コストであるかが良く分かります。
良識的な判断ができる方は、保険に運用を求めるのではなく、自分で運用、保証は安い定期保険でがいい方法だと分かるでしょう。
最後にFP2級の資格を持ってる僕が、29歳男性サラリーマンへのアドバイスします
①最も優れた保険であるのは現金。ない方は節約を意識して生活費の半年分程度の貯金をまずは貯める
②生活費の半年分が貯まれば大抵の病気は貯金で賄える。さらに病休、傷病手当金、高額療養費還付、障害年金という手厚い制度が使えるので、医療保険は不要
③余裕資金は高い手数料を払い保険会社に運用を任せるのではなく、インデックスファンド等を使い低コストで自分で運用する
④子どもができた場合に初めて、妻の稼ぐ力、遺族年金予想額、親族のサポート体制、期待生活水準などを考慮し、保険料の安い定期保険を検討する