金融OLと2回目の食事の戦略

金融OLとの2回目の食事が決まった。
しかし、これはかなり難易度の高い試験。
まず、僕に課せられた問題は以下の通り。
問 リア充スポット天神で、私を連れていくに相応しい店を選択せよ
他にも数多くの男を手玉に取る金融OLは、この問題で振るいにかけるに違いない。
しょうもない店をチョイスしたら最後、ソッコーで切られてしまう。
何としてでも、合格最低点は確保しなければ!
2月5日(金)
この日、有給だった僕は朝から、パソコンを起動した。
天神の焼き鳥屋を調べるためだ。
もちろん、僕は女性と2人で焼き鳥屋に行ったことなどない。
それどころか、行く焼き鳥屋を自分で選んだこともない。
初体験が、こんな大事な場面だなんて・・・
とりあえず、「天神 焼き鳥 デート」で検索してみる。
無数の焼き鳥屋がヒットした。合格最低点をクリアするためには、大衆店は避けないといけない。焼き鳥屋といえども、オシャレで、落ち着いた雰囲気のある店。
さらには、メニューも充実していないとダメ。
ホットペッパーの口コミや店内写真、メニューを見ながら色々なことを考える。
ちょっとガヤガヤしてそう。
あまりに安っぽすぎる。
メニューが少ない。
駅から遠すぎる。
店の粗ばかりが目につき、なかなか決まらない。
早くも1時間が過ぎた。と同時に候補を1周してしまった。
2周目、先ほど焼き鳥のメニューが少なすぎると思い却下した店が目に留まる。
大人の隠れ家、モダンな作り、女性に人気等々、良さげなワードが目につく。
半個室もあるみたいだ。
あまり悩んでいても仕方がない。こういうのは、直感で「えいやっ」と決めるのがいい。
僕は、ホットペッパーから半個室の予約をした。
すると、夕方に店舗から電話がかかってきた。
席は大丈夫だが、半個室は用意できずにカウンター席。さらに、予約が多いので席は2時間だが大丈夫か?と聞かれた。
僕は仕事でもそうだが、とっさの判断が苦手。何も考えられずに、「大丈夫です」と言ってしまった。
デートでカウンターってどうなんだろう?おかしいのか?さっぱり分からない・・・
そこで、ネットで検索してみた。
すると、意外にもいいらしい。
対面の席よりも、緊張せずに話せる場合が多く、距離も近いので、ボディータッチも自然にできるとのこと。
よかったかもしれない。
何はともあれ、店は決まった。
次は戦略だ。
前回の初めての食事は思った以上に、仲良くなることができた。
会話が止まって気まずい空気になることもなかったし、随所に笑顔もあった。
終盤で「また行こう」的なことを言われて、目標であったCフェーズの70%完成は達成したように思われた。
しかし、その後のLINEでは返信が遅い。
可愛くて、コミュ力も高い金融OLの中では、初対面でCフェーズ70%ということは、掃いて捨てるほどある。
所詮は、その他大勢の男の1人に過ぎないのだ。
その場面では、多少は盛り上がっていいかなと思ったが、冷静に考えてみると、不細工で髪も少し後退しているし、ダサい。
2回目のチャンスは与えてやるが、決してその気にはなってはいない。
ここでよほどいい結果が出せない限りは、決して次はないと思ったほうがいいだろう。
さらにもう1つ重要なことに気がついた。
当初約束していた先週の水曜日。金融OLはこの日、会社の懇親会でダメになったので予定変更と言った。
しかし、その日の20時過ぎに2度LINEのやり取りをしている。会社の懇親会中にLINEのやり取りをするだろうか?決してしないだろう。
金融OLは僕にウソをついたと考えるのが、自然だろう。かなりの難敵だ!
そこで、今回の目標だが、Cフェーズの100%完成。
さらに、Sフェーズの入り口までは目指したい。
そして3回目のデートで、完全なアプローチに行く。
そのためには、まず徹底的に自分を出さないこと。
前回少し和んだのでおそらく今回も、それなりに楽しく会話することはできるだろう。
そんなときに、一番危険なのは、自分を出しすぎてしまうこと。
自分を知ってもらいたくて、笑ってもらいたくて、どんどん話してしまう。
その結果、言わなくていいことまで言ってしまう。非モテコミットを出して、恋愛対象から外れてしまう。
これだけは、絶対に避けないといけない。
自分が楽しむのではなく、金融OLにいい時間を過ごしてもらうこと。
そのためには、ミラーリング、ペーシング、バックトラック、イエスセットを使って、粛々とポイントを積み重ねることに徹していく。
決して自分を出さずに、同意と共感を示し、どんどん話してもらう。
全体の7割ぐらいは、話してもらうかんじでいきたい。
こうやって、Cフェーズを完成させる。
すると、次はSフェーズだ。
まず、店内ではCフェーズの完成。そして、店を出てからはSフェーズの入り口へ。
駅までは同じ道、さらにイルミネーションの綺麗な公園もあるので、その辺りで手ぐらい繋ぎたい。
ここで少しアピールしないといけない。
ただ、楽しかっただけではなく、男であることもアピールしたい。
しかし、僕にできるだろうか?
今まで女の子と手なんか繋いだことがない。
しかも会うのは2回目。
ただ、5番さんの時は、2回目の食事で結局何もできずに、そのままフェードアウト。
何もできなかったふがいない自分に、激しく後悔した。
今回は、手をつなぐまではいかなくても、容姿を褒める等、女として好きなんだとアピールしたい。
これは努力目標ではなくマスト。
今回は、必ずSフェーズに入る。
そして、3回目で決めにいく!
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