金融OLと2回目の食事②

焼き鳥屋に入店した僕たちは、店舗奥のカウンターに通された。
マニュアル通り、金融OLを奥に誘導した。
金融OLは、マフラーを取り、コートを脱ぐ。下は灰色のセーターだ。
チラッと胸のあたりを見てみると、思っていたよりも大きかった。Cカップぐらいか?
席に着いた僕たちはメニューを見る。
結構お酒好きの金融OLは、飲み物は当然生ビール。あまりお酒が好きじゃないけど、僕も生ビールにする。
焼き鳥は無難に、せせり、皮、つくね、豚バラを各2本ずつ、加えてポテトサラダを頼む。
僕はこういう場面が圧倒的に経験不足で、2人でどうやって注文を決めればいいのか分からない。
相手の顔を伺って、オドオドしてしまう。
今回も、「皮にしよっか?」みたいにいちいち、聞き返してしまう・・・
こういう場面に慣れている金融OLからすると、何ともダサく映るに違いない。
最初に生ビールが来て乾杯する。金融OLはゴクゴク飲んでいる。
ミラーリングを狙う僕もゴクゴク飲む。金融OLがグラスを置くと同時に僕もグラスを置く。
とりあえず、ミラーリング成功だ。
金融OL 「あ~、お腹空いた。今日はヤバいかも」
キム 「酔っ払いそう?」
金融OL 「そうだね」
キム 「酔っぱらって記憶無くしたこととかある?」
金融OL 「うん・・・去年初めて」
金融OLは昨年、会社の同僚と飲みに行って、大して飲んでないのに店の途中から覚えてないという話を始めた。
泥酔して、上司にタクシーで送ってもらい、何とか家まで帰ったようだ。
僕は、適時バックトラックを使いながら、聞き役に回る。
楽しそうに話しており、また前回の雰囲気に戻れた気がした。
最後にちょっとディスってみた。
キム 「そんで朝起きたら、知らない男が寝ていたとか?」
金融OL 「あはは、ないない」
ここまで来て、ディスりが必要なのか分からないが、恋愛工学を学んでいくうちに、何となく自分はディスりが得意かなと思い使ってみた。
笑ってくれたが、これは成功だったのか?
次に前回同様旅行の話になる。
ここでは、2ついいことがあった。
まずは、ディズニー好きだと言っていた金融OL。
「結構行ってるの?」とか「パレードを見るのがいいの?」と掘り下げて聞いていると、スマホを取り出し、友達と言ったディズニーの写真を見せてくれた。友達3人と耳をつけた楽しそうな、金融OLが写っている。
スマホを見せて話したいぐらい、和んでいるということではないだろうか?
次に金融OLの社員旅行について、話していた時。
バスや電車で行き、社内規定で飛行機は禁止されていると説明した時、「危ないとかいう理由らしいけど、危なくね~しって感じだよね?」とややくだけた表現が出てきた。初対面の時にはなかったことだ。
これも和んできて、Cフェーズが進んでいる証拠ではないだろうか?
その後、ハイボールを頼み、食べ物もササミとつくねを追加して、会話を続ける。
今後行きたい旅行地、学生時代、仕事、投資の話などをした。
最初は前回と違ってやや微妙な雰囲気と感じたが、この頃には前回同様楽しく話ができるようになっていた。
ただし、楽しく話すことに集中してしまい、あまり恋愛工学のテクニックを使えなかったが・・・
会話の占有率は、金融OL:キム=6:4ぐらいだろうか。
もう少し話してもらっても、よかった・・・
7時から始まった食事は9時になって、店員から「お席が終了の時間になります」と言われて、請求書を見せられた。
6,400円。思ったより、全然安い。前回は9,000円以上した。
お互いに財布を取り出すが、僕がサッとカードで支払いをする。
金融OLも1,000円札を数枚出したが、僕は「いいよいいよ、僕が誘ったんやし」と静止する。
「前も出してもらったし・・・」と言っていたが、「大丈夫大丈夫」と言い、僕が全額払った。
金融OLは「ごちそうさま」と笑顔で言った。
今日最初に見たときは、期待が膨らみ過ぎて、思ったほど可愛くなかったと感じたが、最後の「ごちそうさま」の笑顔は、とびきり可愛かった。僕は完全にハートを射抜かれてしまった。
会計を終えた僕たちは店を出る。
最初はぎこちなかったが、店では十分に和むことができた。金融OLのことも色々と知ることができた。
Cフェーズも100%はいかないけど、前回よりも進んだ印象だ。
しかし、今日はこれで満足してはいけない。
金融OLのことを女性として好きだとアピールして、Sフェーズの入口には入ることが至上命題なのだ。
そんなことを意識して、駅に向かって歩き始めた。
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