金融OLとのその後

3月21日(月)
今日は3連休の最終日。
午前中に読書と買い物を、午後はジョギングをして、その後はまったりとして過ごした。
でも、ぽっかりと心に穴があいたようだ。
金融OLからの返信がなく、僕は夢から覚めてしまった。
また、いつも通りの平凡な日常が、始まっていく。
今週からは、サッカーのワールドカップ予選、プロ野球開幕など面白いイベントが多くある。女性などいなくても、今までと変わらない楽しい日々が過ごせる。僕は、必死に自分にそう言い聞かせていた。
いや、本当にこのままでいいのだろうか?
そう考えだすと、いてもたってもいられなくなってしまった。
僕は夢から覚めたけど、無理矢理2度寝をして、もう1度夢を見ることを試みた。
3月21日(月・祝)
22:29 キム) 僕としては、また食事行ったりしたいけど、もう連絡しないほうがいいかな?
この非モテLINEを送った後、多少の後悔と満足感が入り混じった不思議な気持ちになった。
LINEを無視された後のしつこいメッセージ。
金融OLから返信があったところで、もう一度食事に行ってもらえるとは思えない。
ましてや、交際できる可能性なんて、限りなくゼロに近いだろう。
そんなことは百も承知だが、こんなLINEを送ってしまうなんて。
僕は冷静なつもりだったのだが、決して正気ではなかったのだ。
これではまるで、ストーカーではないか。
しかし、少しぐらい嫌われても僕は行動したのだ。
変なプライドを持たずに真っ直ぐ、自分の気持ちに正直に。
その夜、金融OLから返信があることはもちろん、既読になることもなかった。
次の日、またいつも通りの日々が始まった。
僕は、いつも通り出勤して、いつも通り淡々と午前中の仕事を終え、昼休みを迎えた。
昼休み、周りに座っている同僚が連れ立ってランチに繰り出した。楽しそうに笑顔で、オフィスを後にする。
僕は誘われることもなく、1人で自作の生姜焼き弁当を、かき込みわずか5分で食べ終えた。
少し離れたデスクから、楽しそうに会話する女子社員の声が聞こえてくる。
Twitterを見て全然興味ないふりをしながら、彼女達の話に聞き耳を立てる。
僕はいつも、こんなやさぐれた人生を送っているのだ。そして、これからもずっと。
ふと、今日これまでのグーグルアドセンスの成果をスマホで見た。
まだ昼間だというのに、もう1,300円もいっている。極めて好調な成果。
世の中全てに見捨てられても、唯一お金だけが救ってくれる。
そうだ、僕にはお金がある。お金しかない。
いくら人に尽くしても、天性のコミュ障と消極性で周りから人が離れていく。
しかし、人が離れていけばいくほど、お金が集まってきた。
お金は決して、裏切らない。
もう不確実で、わがままな人に期待することはやめよう。
女性とはあわよくば仲良くなれればラッキーぐらいの気持ちで、セミリタイアを目指していこう。
ブログを始めた当初はそういうスタンスだったはずだ。随分、遠回りしてしまったが、これこそが本当の目標なのだ。
その瞬間、1通のLINEが届いた。
12:58 金融OL) おつかれさまー。
ん?返信してなかったら?ごめん。
連絡も食事もぜんぜんいいよ!
また行こう。
昼休み終了直前で、同僚も帰ってきていたため、よく確認できなかった。
ただ、ニュアンスは十分に分かった。
僕は思い切って「次の店リサーチしといていいかな?」と次の食事の意思確認のつもりで、LINEを送った。
返信が返ってこないことに悩み、3連休は金融OLのことで頭がいっぱいだった。
完全にフラれたと思い込んでいた。
一方で、金融OLはただの無関心だったのだ。何も考えずに、ただ返信していなかっただけ。
僕達の温度差は、天文学的数値でも表わすことができないぐらいに、差があった。
昼休みが終ったけど、仕事など全くする気になれなかった。
最低限の事務処理だけしながら、LINEをどう返すかずっと考えていた。
もう100%の非モテコミットだ。金融OLからすると、僕のバリューは地に落ちいているだろう。
僕は金融OLにとって、群がってくる底辺男の1人まで完全に成り下がってしまったのだ。
仕事は定時に終わり、6時過ぎには家に帰ったが、我慢に我慢を重ねて夕食後に返信をした。
20:42 キム) いやいや、こっちこそごめん。
マイナス思考過ぎかな(笑)?
じゃあ、また行きましょう。
苦し紛れで、何とか笑にしようとした。
中学の時から必死に勉強して国立大学にまで入学した僕が、昼から必死に考え抜いて導き出した解が、この文章。
金融OLからは思いの外、早く返信が来た。
21:06 金融OL) おつかれさま!
いやいや、私がマイナス思考にさせてたね。ごめんね。
また行こう!今度は肉かな?
21:14 キム) いえいえ、まあ慣れてるから(笑)
お、肉。
レディーやから、あえて避けてたけど、焼肉行っちゃう?
その夜、金融OLから返信はなかった。
「ごめんね」と謝っていたが、正直全然反省してないんじゃないかと思った。
まあ、女というのはそういう生き物として納得していくしかないんだろう。
今日は、激動の1日だった。
金融OLにフラれたと思い、改めてセミリタイア中心で生きていこうと誓った。
しかし、金融OLからの1通のLINEにより、またフルコミットすることになった。
僕が必死に稼いだお金が、今後も金融OLとの食事で湯水のように無くなっていく。
全くの無関心だった金融OLとつき合える確率は万が一にもないかもしれないが、もう引き返せないところまで来ていた。
経済用語に、サンクコストというというものがある。
既に使ったお金はもう返ってこないのだから、それはすっぱり忘れて現時点で最適な行動をすべきだ。
例えば、お金を払って見始めた映画がつまらなかったら?
多くの人はせっかくお金を払ったのだから、面白くなくても最後まで見ようと思うだろう。
しかし、どうせお金は戻らないのだから、つまらないのに見続ければ、お金に加え時間も無駄にすることになる。
だから、さっさと帰ることが正しい。
僕は、このサンクコストを十分すぎる程学んできた。
金融OLとの食事でこれまで3万円近いお金を使った。このお金は返ってくることはない。
さすがの僕でも、付き合わないならお金を返してとは言えない。
それでも、金融OLを振り向かせることはできずに、無関心だ。
だったら、正解はすっぱりと諦める。
これまでのお金と思い出を見ていてもダメで、新しい女を狙うなり、別のことを精を出すなりするべき。誰でもわかる結論。
しかし、僕は諦められなかった。
分かっていながらサンクコストを無視してしまうほど、金融OLのことが好きになっている。
そして、金融OLの泥沼にはまり、LINEを続けていく。
3月23日(水)
18:49 金融OL) おつかれさま!
えー肉あえて避けてたんだ。焼肉よく行くよ。
まぁおいしければなんでもいいです。
19:51 キム) おつかれさま!
よし、ガッツリ焼肉行こっか。
3月24日(木)
13:17 金融OL) おつかれさま!
そうだね!がっつりいいかもね。
楽しみにしてるよ~。
20:25 キム) こう見えて、けっこうガッツリいくほうなんよ。
焼肉楽しみやわ。
来週はほんまの年度末やから、色々忙しいかな?
その次の週にする?
21:16 金融OL) おつかれさま。
そうだねー。来週は送別会とかもあるかもだしねー。火曜日水曜日なら大丈夫だよ。
21:41 キム) おつかれ。
僕も水曜日は何もなさそう。
連続になっちゃうかもしれんけど、水曜日でいいかな?
時間は19時?20時?
22:30 金融OL) 20時でお願いします。
22:47 キム) OK
焼肉リサーチして、また連絡するよ。
22:47 金融OL) ありがとう。よろしくお願いします。
僕達は、3月30日(水)20時から、焼肉に行くことに決まった。
可能性はほとんどないかもしれないが、追試の機会をもらったのだ。
早速、店を決める必要がある。
さらに、今回こそは綿密に計画を立てて、何が何でも告白して白黒つけるのだ。
もうあんな情けない思いはしたくない。
- 関連記事
-
- 金融OLとの5回目の食事に向けて
- 金融OLとのその後
- ダメ元で金融OLにLINEしてみた