金融OLとの5回目の食事に向けて

3月25日(土)12:30
僕は、スポーツクラブでの運動から帰宅し、昼食を取った後、パソコンの画面とにらめっこしていた。
金融OLと来週の水曜日に焼肉に行く約束をしたので、店を決めるため。
最近、頻繁に店を選ぶ作業をしているが、どうにも慣れない。
というのも、僕の食の好みは完全に質より量。後は値段。
とにかく、安くて量があって、そこそこ美味しければ何でもいい。
これまでの人生、常にこの視点で店を決めてきたので、女子が喜ぶ店が根本的に分からない。
実際、5番さんも含めて、今まで決めた店を気に入ってもらえた感じがない。
かと言って、あまりオシャレな店にすると、自分が萎縮してしまいそうだし。
当然、焼肉屋に行ってある程度のお金を払うので、食べ放題に行きたい。
カルビと白飯ドカ食い。これほどの幸福はない。
しかし、今日これから告白するというのに、絶対に食べ過ぎてはいけない。
ガッツリいこうと言っていたので、食べ放題でもいいかもしれないが、食べ過ぎそうなのであえて避けることにした。
と言っても、福岡に無数に焼肉店はある。
1時間かかっても、僕は決められないでいた。
いくら金融OLに気に入って欲しいといっても1万円以上する高級店は気が引ける。
かと言って、大衆店はだめだ。
ここは焼肉のメニューが少なすぎる、店内がガヤガヤし過ぎ。
僕はこんなにも優柔不断だったのか・・・自分で自分が嫌になった。
ホットペッパーを見ていると、1店の焼肉店が目に止まる。
いい雰囲気の飲食店が立ち並ぶエリアにある店。
肉は400~800円ぐらいと良心的な値段。お酒の種類も充実している。
小型店で、騒がしい雰囲気でもなさそうだ。
ハラミがない点が少し気になるが、この店にすることに決め、ネット予約を終えた。
12:30から始めた作業は、14:05になっていた。
後は計画を練るだけだ。
前回は、白黒つけてやると強い決意で臨んだものの、結局何も言えなかった。
情けなく、自分に腹が立った。
失敗の原因は何だったのか?
それは、紛れもなく準備不足だ。
僕は、成功失敗の9割は準備で決まると思っている。
仕事でも準備が不可欠。事前に起こりそうなことを想定して、しっかり対策を打っておく。そういうすることで、余裕を持って落ち着いて臨める。
凡人以下の人間にとっては、用意周到な準備こそが最も大事なのだ。
会社にいる残念な人の多くが行き当たりばったりで、問題が起こってから慌てて対処するので、上手くいかない。
前回の僕も完全にそうだった。
告白することは決めていたものの、具体的にどこでどう告白するかまでは未定。
当日時間があったにもかかわらず、無駄に時間を過ごし何も準備せずに挑んだ。
結果、時間ばかりが過ぎて、タイミングを見失って何もできず。
残ったのは圧倒的な後悔だ。
僕は、元来気弱な性格だ。ましてや告白など30歳になるまでしたことがなかった。
意を決して金融OLにした際も「もうちょっと食事に行きたいかな」と保留された。
少しでも油断すると、弱気が顔を覗かせる。
「ここで告白して失敗したら、もう金融OLとは遭えなくなるよ。もう少し、じっくりいってからでもいいんちゃう?」と悪魔の囁きをする。
その声に翻弄され、何の前触れもなく突然告白しただけで、あとは何1つアプローチできていない。
YAHOOパートナーという目的意識がはっきりした場所で出会ったにもかかわらず、まさかの友達フォルダ行きになろうとしているのだ。
そして、今回は何が何でも告白する。
告白できなければ、切腹するぐらいの覚悟。
具体的な手順としては、今回こそは絶対に店を出たところで手を繋ぐ。
実は、前回電車の中でネイルを見るふりをして、少し手を触った。
これで完全に嫌われたと思ったが、今回の食事にも応じてくれたということは、そこまで気にしていない。
過去には、ボディータッチをされたこともあるぐらいだ。
ましてまがいなりにも5回目の食事までしているのだ。金融OLも1回告白までされているので、僕がただ友達でいたいとは思っていないだろう。
LINEをスルーされたとはいえ、最低限の好意はあるはずだ。
ここまで来て手を繋ぐことで全力で拒否されれば所詮はその程度の関係だったということ。
無事に手を繋げれば、そのまま会話をしながら駅まで歩く。たぶん10分弱になるだろう。
この時に、少し口説くことができればいいけど、無理はしない。
あくまで、手を繋ぐことで十分にドキドキ感は伝わるはずだ。
駅前のちょっと広場みたいになっているところで、いよいよ告白だ。
今回は、歩きながらではなく、足を止めてしっかりと向き合って。
「○○のことやっぱり好きで。もっと一緒にいたいと思ってる」的なかんじでいこうと思う。
OKならそのままそっと抱きしめる。あとは成り行きに任せて。
保留なら少し押してみる。これ以上、保留されるわけにはいかない。
ダメだったら、その時はその時だ。
いずれにしても、まだ時間がある。
当日は、たぶん仕事が早く終わり、約束まで1時間半ぐらい余裕があるはずなので、現場を下見してもう一度シミレーションして、自信を持って挑む。
もう弱気な僕とは、おさらばだ。
4月からは金融OLとの第2ステージ挑むため、やるだけのことをやっていく。
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