金融OLにザオラルメールを送ってみた①

6月11日(土)
梅雨の合間の貴重な晴れの日。
久々に少しいい精神状態の休日だ。
4月に職場異動があり、新しい仕事に慣れない。また通勤時間も残業時間も増えて、僕は心身共に疲れている。
仕事から帰っても簡単な食事だけ済ましネットサーフィンをして寝るだけ、休日も元気なく家から一歩も出ない日もあった。
数ヶ月前までの生活に戻りたい。
何でもないようなことが幸せだったと思う。
ただ、改善の余地が出てきている。
仕事も少しだけ慣れて、何度もやったパターンであればこなせることも出てきた。それとともに残業も少しだけ減った。
そして、月曜日は異動後に初めての有給も取った。
3連休の初日ということもあり、悪くない程度の状態だ。
朝、スポーツクラブに行く途中、僕にふと思いがよぎる。
金融OLに久々に連絡でもしてみようかな?
ザオラルメールでも送ってみようかな?
ザオラルメールとは、恋愛工学の用語で、「一度疎遠になってしまった相手に、一定期間後にもう一度連絡を取り、関係の復活を祈るというテクニック。『ドラゴンクエスト』に登場する蘇り呪文から取られている。」というもの。
金融OLとは5回目のデートで2度目の告白をしたが濁された。
食事しかしたことがなく、まだよく分からない。休みの日にも会ってみたいと。
しかし、4月の予定は一杯で、その後送ったLINEも数回のラリー後に返信はなし。
ほとんど脈なしだと思ったし、その時は仕事でいっぱいいっぱい。
こんなメンタル状態で会っても悪い印象を与えるだけだし、僕からは連絡しなかった。
それでも金融OLからの連絡を待っている自分がいた。異動になるとは言っていたので、気にかけてLINEが来るのではないか?と。
淡い期待とは裏腹に、スマホが鳴ることはなかった。
こうして金融OLとの連絡が途絶え2ヶ月が過ぎた。
以前は頭の中は金融OLで一杯であったが、その影は日常から少しずつ消えていた。
ただ、少なくても2日に1回は金融OLのことが頭をよぎった。両親のことでも2日に1回は考えない。
相変わらず僕の頭の中は金融OLで一杯なのかもしれない。
その恋心が、少し余裕が出てきたことで一気に溢れてくる。
これまでほとんど女性に相手にしてもらえなかった僕。
勇気を持って話しかけても、圧倒的な挙動不信感が出て、女性に壁を作られているのが分かる。
しかし、金融OLは違っていた。話を聞いてくれ、一緒にいるときはあくまでも対等に接してくれる。
気まずくなることもなく、話題に困ることもなく、一緒の時間を純粋に楽しむことができた。
そんな金融OLにもう一度会いたい。
2回も告白して、保留され、LINEの返信も遅かったことから付き合える可能性など、ほとんどないのは痛いほどによく分かっている。
みんなに指摘されるように、金の無駄なのかもしれない。
それでももう一度会いたい。会ってあの笑顔を見て、話がしたい。
冬の金融OLだけではなく、夏の薄着の金融OLも見てみたい。
仕事帰りの金融OLだけではなく、休日の金融OLも見てみたい。
食事中の金融OLだけでなく、遊びの金融OLも見てみたい。
どうやら会えない時間は、僕の恋心をより大きなものにしているようだった。
でも、いざ送るとなると躊躇してしまう。
どうやってLINEをしようか?
90%断られるに違いない。
もし万が一休日デートができてもどんなプランを立てればいいのか?
僕は女性と休日デートなどしたことがないのだから。
そんな悶々とした気持ちで、午後を過ごした。
しかし、失うものなど何もない。
共通の知人など誰もいないのだから、ストーカーでもしない限り暴露されることなどあるまい。
まして、YAHOOパートナーの有料会員になり、高いお金を払ったのだから最後まで夢を見ないと損だ。
僕は風呂上がりに、意を決して金融OLに約2ヶ月ぶりのLINEを送った。
6月11日(土)
22:13 金村) 久しぶり。
最近、どんなかんじ?
こっちは異動でバタバタしてたけど、少し落ち着いてきたかな。
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