グラマー技師をデートに誘ってみた

6月30日(木)20:30
残業を終えて、電車に乗っていた。
車内は、くたびれたサラリーマンで溢れている。
僕はここで、グラマー技師にLINEを送ろうと決意をした。
グラマー技師とは、引き続き連絡を取り合っているが、何となくマンネリ感が漂っている。
これ以上会話をしても仕方がない。
僕の目的は、女の子と楽しく話すことではない。
会って、その後の展開なのだ。
20:43 金村) 週末の予定はどう?
せっかく仲良くなれたので、よかったら会わない?
何の飾り気もない誘い。
これでいい。数多く誘うことが大事。
約1年前に恋愛工学に出会い、僕は多くの施行を繰り返した。
ナンパ、街コン、サイトで数名の女と出会った。
その中で、一番成長したこと。
それは、女性を気軽に誘えるようになった点。
それまでの僕は、女性を誘うことなんて決してできなかった。
羞恥心、劣等感、変なプライド・・・
その全てがあわさり、とても誘うことなどできない。
しかし、ある程度会話ができた後に誘ってみると、意外と女性は食事に行ってくれると分かった。
そして食事中は楽しく話すことができる。さらに僕は2度も告白までしたのだ。
これらの経験より、LINEで誘うことなど特に緊張もなく、できるようになってきた。
電車が駅に着き、家に帰る。
道中、LINEを確認するがまだ既読にはなっていない。
結局この日は、返事はおろか既読になることすらなかった。
7月1日(金)
僕はこの日、有休で裁判傍聴に出かけた。
時間があるため、逐一LINEをチェックするが、やはり既読にすらなっていない。
金融OLとは違い、これほど返信が遅いことはなかった。
グラマー技師は病院勤めで、週に1回程度当直があるらしい。
仕事中でLINEを見ていないのだろうか?それとも断る口実を探しているのだろうか?
昼になっても、夕方になってもない。
待ちくたびれた返信は、夜になって突然来た。
20:02 グラマー技師) お疲れ様!
申し訳ないけど、会って話してみたいなーってとこまでいかなかったかな。
LINEは最初は楽しかったけど、今回はご縁がなかったってことで、理解してもらえたらありがたいです!
いままでありがとう。
お互い、いい人との出会いがあればいいね。
びっくりぐらい率直にフラれた。
5番さんも金融OLも、緩やかにフェードアウトしていったが、グラマー技師はすっぱりと断ってきた。
実に誠実で、すがすがしい。
僕は、諦めて返信をした。
20:21 金村) 分かった。ありがとうございました。
メッセージはすぐに既読になり、僕の恋は2週間という短さで終わりを迎えた。
ただ、この失恋は誘う前に予想していた。
僕たちは、先週の土曜日に顔写真を交換した。
僕のブサイクさを知って、フェードアウトされることも考えられたが、その後もLINEの頻繁なやり取りは続いていた。
よって、最大の難関は乗り越えた。
しかし、ここから僕は失敗を犯した。
この時点で、サクッと誘っておけばよかった。
LINEでお互いのことも知って、顔写真も交換したので、たぶんOKをもらえただろう。
大事に行き過ぎたのだ。
頻繁にLINEをすることで、僕は正直少し面倒くさくなってきた。
グラマー技師もそうだったのかもしれない。
お互い返信が短くなり、絵文字等も入れなくなってきた。
何か義務的にLINEをしているかのよう。
その中で、僕は致命的なミスを犯すことになる。
グラマー技師が友達とランチに行くと話していた会話中。
金村) どんなランチが好きなん?
グラマー技師) パスタとかかな。
ゆっくりできるお店がいい。
女子はおしゃべりが尽きないからね。
金村) 女子が普段どんなこと話してるか興味ある。
会話に入る自信ないけど、側でただ聞いていたいわ。
グラマー技師) ほとんど近況報告やけどね。
金村) それで話が弾むんやな~。
素晴らしい。
この一言が完全に余計だった。
「話が弾んでいいな」という意図だったが、女子の会話のくだらなさを指摘する内容になってしまった。
これまで1週間の積み上げが一瞬で崩れた瞬間。
グラマー技師からは15分経って返信が来た。
グラマー技師) 久々に会うと話はずむよ。
友達と会ったりあんまりしない?
金村) 久々なんや。
地元に帰ったときとかに会うと、確かに色々話すわ。
僕がぼっちだと悟られしまった。
とっさに取り繕うが、時すでに遅し。
頻繁な会話で面倒くさくなってきたことや、少し仲良くなれた安心感から僕は本音を出してしまった。
返信は露骨に遅くなり、今まではグラマー技師のほうから来ることもあったメッセージはぴたりと止んだ。
苦し紛れに、デートに誘ったものの、もう負けは決まっていたようだ。
婚活中の女子は、対象男子を見定めるときに、減点法を採用している。
ルックス、スペック、人間性・・・
少しでもボロを出すと、次に行ってしまう。
そんな激しい振るいにかけられていることを忘れ、僕は油断してしまったのだ。
あれほど注意していたにも関わらず・・・
完全に自分のミスで、悔やんでも悔やみきれない。
ただ、僕の最大のミスは失言をしたことではない。
人間である以上はミスはある。
だから、ある程度信用を得たら、デートに誘っておけばよかった。
それをせずに、だらだらを会話をして、集中力を切らし、ミスをする確率を上げていってしまったのだ。
まさに起こるべくして、起こったこと。
一度はデートのチャンスを手にしながら、そのチャンスはするりと手からこぼれ落ちていった。
僕はyoubrideの無料会員だが、無料でも女性と出会える可能性はある。
現在、31歳のOLとメッセージのやり取りを続けている。
グラマー技師ほど頻繁なやり取りではないが、毎日メッセージの送受信をしている。
野球好きでソフトバンクファンのタカガール。
同じ趣味を共有している。
今後はタカガールと会話を続けながら、折を見てLINEに移行する。
そして、ある程度になったらミスを犯す前に誘う。
今回の失敗を踏まえ、ダラダラと会話を続けて、いたずらにミスする可能性を高めることは辞めよう。

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