まさかの台風到来・・・次回のピクニックデートの予定

9月11日(火)僕は朝起きて、自分の下半身を見て少し嬉しくなった。しっかりとテントが張られた状態になっていたからだ。昨日見た遠藤さんの顔は期待していた程の美人とは言えなかった。写真だしアップでもないので、はっきりとしたことは分からない。しかし、1つだけ言えることは僕が好きな川口春奈ちゃんではないということ。偏差値をつけると、47ぐらいだろうか。遠藤さんとのこれまでの楽しい楽しいLINEにより、僕も2ストライクに追い込まれて本来はボールと認定すべきところを、多少強引にストライクと判定してしまったのかもしれないという杞憂があった。頭で無理矢理納得させているのかもしれない。しかし、そんな心配を他所に、サバイバル上級者が組み立てたように、骨組みのしっかりとしたテントが張られている。頭だけではなく、体でもしっかりとストライク認定がなされている。そのテントはしばしば折りたたまれるものの、朝食中、電車の中、会社のデスクに座っている時も少しでも遠藤さんのことを考えると、すぐに組み立てられるものであった。大丈夫、イケる。
僕はこれまで、ブスな女を連れている男を見ても全く羨ましいとは思わなかった。あんな女がいてもちっとも幸せではない。ブスと付き合うぐらいなら、一生1人のほうがマシだ。確かに、ブスな彼女もいない、できない僕よりも彼女がいるだけずっと恋愛強者のはずだ。一応それは分かってはいるものの、羨ましいどころか少し哀れな気持ちすらあった。でも今は思う。ブスな彼女で興奮できるということは人生を楽しむ素質が抜群にあるのではないか?と。例えば、もし僕のストライクゾーンが顔面偏差値48以上で、遠藤さんをボール判定していたら・・・今こんなにも興奮したり、ワクワクしたりすることもなかったはずだ。いつも通りのダルい火曜日を過ごしていたに違いない。しかし、現実に僕のストライクゾーンは偏差値47も含むので、これだけ楽しむことができているのだ。だからと言って、これは生理的な問題なので意識してストライクゾーンを広げられるものではない。自分の中でのボール球にはバットを振ることはできない。ただ、これからはブスな彼女を連れている男の人生楽しむ術を心の底から尊敬しようと思っている。
遠藤さんがストライクゾーンであることに安心した一方、僕には2つの問題が横たわっていた。その1つ目が台風だ。現在、沖縄周辺にある台風18号は、当初中国のほうへ行き九州への影響はないと思われていた。ところが、ここへ来て、日本へ進むと進路予想が変更となっている。しかも、週末に九州を直撃しそうだ。せっかく日曜日に取り付けたピクニックデート。女心と秋の空と言われるように、女性と言うのは本当に気まぐれな生き物だ。日程が延期となれば、断られる可能性だって十分出てきてしまう。もう2つの問題は、果たして遠藤さんのストライクゾーンに僕が入っているのか?ということ。写真を送っても遠藤さんの態度が急変することはなく、ピクニックの約束は継続中。しかし、倫理的な問題として、写真を見ていきなり断る人はそう多くないだろう。仮に僕が遠藤さんをボール判定したとしても、やんわりと、次第にフェードアウトしてできれば相手に気づいてもらうという方法を取っていただろう。写真を見せあったのが夜遅くで、そこからすぐに寝てしまったので、遠藤さんの実際のテンションは分かっていないのが現状である。この日、遠藤さんの現在のテンションを探るためにLINEを送った。
19:33 金村) またいい公園見つけたんやけどさ・・・週末に台風が来るかもしれんってさ。
今日、以前と同じようにLINEで盛り上がることができたら、遠藤さんが僕をストライク判定してくれたと思っていい。これまでの女性も顔を見たり、食事に行った後に急に返信が遅くなったり、素っ気なくなったりと極めて分かりやすい反応を示してきた。恋人や結婚相手を探している女にとって、その対象から外れた男と引き続き仲良くLINEすることはないだろう。そんな聖人君子はいない。そわそわしながら返事を待っていると、20分で返信が返ってきた。
19:53 遠藤さん) みたいやね。しかも、日曜日に最接近らしいね。見つけたのはどこの公園?
メッセージに加えて、うさぎがお茶を持ち「おつかれさまです!」と言っているスタンプまで来ている。しかも今までにはなかった有料スタンプだ。もしかして、僕のために購入してくれたのか?いずれにせよ、返信時間、メッセージが疑問形で終わり公園の話題も広げるなどテンションが下がっている様子はない。ピクニックにも引き続き前向きにも思える。しかし、安心したのも束の間、事態はこの後急展開を迎える。少し公園のついてのやり取りを交わし、20:24に僕がメッセージを送ったのを最後に急に返信が来なくなった。既読にもならなくなった。21時、22時、23時になっても何の反応もない。が、23時を回ってようやく返信が来た。
23:36 遠藤さん) ごめん、テレビ見てたらいつの間にか寝てた。
何だよ・・・びっくりさせんじゃねーよ。でもテレビ見てたら寝てるなんてあるか???まして興味のある異性とLINEしている時に寝るか?僕は遠藤さんとLINEしている最中は、常にテントが張られている状態で、交感神経がバリバリ働いているので眠ることなどありえない。やっぱり、遠藤さんのテンションに変化が生じているのか?僕への気遣いで変わらないように返信している風を装っているけど、体は正直なのか?このまま緩やかにフェードアウトしてしまうのではないだろうか?僕は翌朝、返信をしたが、ここからすれ違い生活が始まることになる。これは翌日の水曜日から金曜日まで続く。僕がメッセージを送った時は、遠藤さんは仕事が疲れて帰って寝落ちしている。逆に遠藤さんからも0時前にメッセージが来たが、僕はもう寝ており翌朝にメッセージを送り少し会話する程度だ。一応、遠藤さんからもLINEは来るし、有料スタンプや「ゆっくり話せるの楽しみにしてる」と思わせぶりなメッセージもある。これまでフラれたように露骨にテンションが下がっている反応ではない。ただ、初期のころのやる気満々からは若干変化しているように感じる。ピクニックでどこの公園に行くかなどの詳細も進んでいない。遠藤さんの正直な気持ちを掴めずにいた。
9月16日(土)本来のピクニックの約束は明日だが、台風が来ることはほぼ決定的。僕は今後の予定を立てようとLINEを送った。
9:59 金村) お仕事お疲れ様。ゆっくり休めた?
明日は無理そうやな・・・
11:44 遠藤さん) いつもより遅くまで寝てたから、ゆっくり休めたよ。
ホント明日は無理そうやね。他の日に延期やね・・・
12:03 金村) 残念やわ~。今度の土曜日はどうかな?
13:14 遠藤さん) 23日ね!大丈夫。
返信が遅いのは気になるところだが、何とか予定を確保した。さすがにこのままフェードアウトする気ならOKしないだろう。現実に「予定が埋まってて」とこれまで何度もお断りを受けている。その後、トントン拍子で行く公園が決定。9月23日の土曜日、2人の家の中間点ぐらいの大型の公園で11時に待ち合わせの約束をした。僕がリサーチした大きな芝生があるピクニックには打ってつけの公園だ。この日、僕たちは今までのすれ違いを解消するかのように、顔見せ前と変わらない盛り上がりでLINEをやり取りした。こんなに頻繁にLINEを送っておいて当日のドタキャンはないだろう。あくまで写真ではあるが、最も恐れていた生理的に無理フィルターは突破したと言っていいいいだろう。次はピクニックに向けての戦略を練らないといけない。幸いにも、まだ2日間の休日があるので、ゆっくりと考える時間がある。
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