彼女とお泊りデートしてきた①

先週のある日、僕は札幌駅の改札口前に立っていた。
今日は待ちに待った彼女とのお泊りデート。
新千歳空港から電車で来る彼女と、札幌駅で待ち合わせる予定。
時間どおりに、彼女は改札口前に現れて目があった。
落ち合うと、早速手を絡めあい、駅前ビルのらーめん共和国に向かう。
有名ラーメン店が集まっている人気観光地だ。
デート経験がない僕は、こういう時に自分で店を選べばいいのか?彼女に選んでもらえばいいのか?分からない。
「自分で選んだ店がお好みでなかったら・・・」でも「相手任せにして優柔不断と幻滅されたら・・・」とマイナス方向の思考が浮かんでくる。
結局1周回って、オーソドックスな札幌味噌ラーメンの店を僕が選ぶ。
すぐにラーメンが運ばれてきた。
もやしやニラが自由に取れるようになっていたので取り分けつつ、早食いにならないように気をつけながら食べ進めていく。
会話は普段の食事についてだった。
彼女が「夏は食欲がなくなってそうめんをよく食べる」「子どもが日によって好き嫌いが変わって困る」と他愛のない話をする。
そういう瞬間もドキドキする。
食事を終えた僕たちは、北海道大学に歩いて向かった。
今日のような晴れた日は最高に気持ちいい場所。
入り口付近で、彼女がキスを求めてくる。
誰も知っている人がいない北海道に来て、開放的になっているようだ。
もちろん僕だって、したくてたまらない。
でも学生や観光客が多く行き交う中なので、「ここではダメ」とそれを制した。
まずは芝生と小川がある憩いの場所に行き、芝生の上に座った。
ふと横を見ると、花柄のノースリーブのワンピースにカーディガンを羽織った彼女の胸の形がはっきり分かる。
たまらなくなり、僕は膝枕をしてもらうことにした。
柔らかい太ももの感触を楽しみながら、目を閉じた。
「ずっとこうしていたい」という言葉が自然に出た。
頭を撫でながら「そうだね~」と優しく囁いてくれる。
しばらくまったりした後は、再び北大内を散策する。
途中博物館に入ったあたりから、彼女の◯情ぶりが顕著になってきた。
何度もキスを求めたり、身体を密着させて見つめてくる。
僕も下半身全部と右脳では応じようとしているのだが、左脳の僅か一部で何とか食い止める。
しかし、何度もジャブを打ち続けるられるうちに、とうとう陥落した。
彼女の手を引っ張って建物の陰に行き、唇を重ねた。
それだけでは済まずに、舌が口の中に入ってきて互いでレロレロし合う。
僕の手は自然と胸へ、彼女の手は下半身へと伸びて、互いの欲望を満たし合う。
そしてワンピースの中に手を入れてまさぐった上で、さらにその中にも手を入れて弄ぶ。
少しウエッティーになっている感触を僕は楽しんだ。
彼女の息も荒くなっている。
さらに草むらの中に連れていき、押し倒そうともしたが・・・
さすがにそれは我慢した。
そして僕らは何食わぬ顔で元に戻った。
そこから地下鉄に乗り、大通り公園、時計台、旧北海道庁と札幌中心部の主要観光地を案内する。
北大で開放して、観光客も多いここではお互い少し冷静さを取り戻した。
スキンシップをベンチで肩を寄せ合う程度に留める。
はずだった・・・
彼女に小声で「ズボンの上からでも濡れてるの分かる(笑)」と指摘された。
厚手のジーンズを履いていた僕だが、確かにその上から湿り気が分かった。
それほど今この瞬間、そして今夜のことを考えると興奮が抑えきれなかったのだろう。
夕方になって僕たちは路面電車に乗って、藻岩山夜景を見るためロープウェイ乗り場に向かった。
新日本三大夜景に指定されている藻岩山。
展望台まで行くと、多くの観光客がいた。
僕は夜景好きで多くを見てきたが、いつも1人だった。
ロープウェイで展望台に行く時に、外国人、カップル、友達同士の集団に混じって、おっさん1人で行動。
これからもずっと続くと思っていたが、今日は彼女と一緒に来ている。
こんな日が来るなんて、信じられなかった。
ずっとやってみかった彼女を後ろから抱きしめて、2人で札幌の夜景を見る。
最高にロマンティックな時間を過ごした。
夜景を楽しんだ後は、自宅に向かう。
夜は外食ではなく、家でジンギスカンを食べる予定になっている。
普通のデートももちろん憧れだが、こういう一緒に暮らしているような感覚も僕は味わいたいと思っていた。
最寄り駅を降りて、手をつなぎながら僕の家に向かう。
アパートの前まで来て、たまらず「本当にいい?」と聞いてしまった。
彼女は優しく「うん」と答えてくれる。
手を引き一緒にアパートに入り、部屋の扉の前まで行く。
心臓がドキドキしているのを悟られないように、平静を保ち少し震える手で鍵を開ける。
ゆっくりとドアを開けて、精一杯の紳士ぶりで部屋の中へと誘う。
そして苦節34年、とうとう女を自分の部屋に連れ込むことに成功した。
部屋の電気をつけて、ソファーに横並びで座った。
お互い一瞬無言になった。
(続く)
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